家族介護にまつわる現実

高齢化社会の進行に伴い、家族介護にまつわるさまざまな課題が浮き彫りになっています。家族介護については、突然の病気やケガが介護の発端となるケースが少なくなく、準備や心構えができないままの状況で直面することが少なくありません。そのため、家族で介護を行うことになったショックと併せて、日々の生活に大きな変化が生ずるという不安を抱えてしまうことが少なくありません。過去に介護の経験がある人が身近にいる場合はある程度冷静に対処できるかもしれませんが、多くの場合、パニックや精神不安な状態に陥ってしまうことが予想されます。ですから、国や自治体が中心となって、抜本的な解決に向けての対策を進める必要があるでしょう。

介護はゴールが見えないので、想像以上に辛く、心身に大きな疲労をもたらします。最初はなんとか乗り切ろうと頑張ってみても、知らず知らずのうちに介護する人の心と体の健康に悪影響を及ぼすことがあり、周囲のサポートやフォローを必要とする人も出てきます。度々ニュースで「介護疲れ」という言葉を耳にする事があると思いますが、この介護疲れを放置すると取り返しのつかない事態にもなりかねないので、万が一限界が来そうなときは、家族は早めにアラートを出すようにしましょう。

また、家族介護を行っている家庭が身近に存在する場合は、周囲の気遣いも欠かせません。介護を受ける側も介護をする側も家族である場合は、過酷な現状が表に現れにくく、介護うつや介護放棄などの深刻な事態になるまで、周囲が気づかないというケースもあります。ですから、地域全体で高齢者のいる世帯を見守る工夫も必要です。